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花回廊では花の季節を「春・夏・秋・冬」と分けていますが、花の記事が掲載された日付を元に、以下のように区分けしています。
▼春(春の頃) 3月〜5月
▼夏(夏の頃) 6月〜8月
▼秋(秋の頃) 9月〜11月
▼冬(冬の頃) 12月〜2月 |
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▼名桜散見(10)
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湖畔の並木<東宇和郡野村町坂石> |
1994/04/11 |
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【漕艇、花影を揺らす】
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| 学生らのボートがミズスマシのように行き交う花のダム湖 |
国道197号は、三崎半島から八幡浜・大洲市を経て肱川沿いに肱川・野村・城川町経由日吉村に至る。かつては、197と国道をもじって「行くな酷道」と酷評される悪路だった。それがいま、混雑する11号、33号、56号の県内大動脈の各国道よりも快適な「走りやすい道路」と好評だ。
陽春、肱川に沿って走ると、眼前に樹齢四、五十年のソメイヨシノの桜並木が開け、思わず「きれい!」の歓声も飛び出す。肱川町から野村町にかけては、昭和三十四年完成の鹿野川ダムが青い水をたたえて広がり、眺望はさらにグレードアップする。
発電や洪水調節など多目的のダムは、戦後の傷跡が残る昭和二十八年に調査開始。三十一年から丸三年かけて完成した。翌年、県は周辺を肱川県立自然公園に指定、前後して桜の植栽をしたようだ。また「距離、幅、安定水量がある」とダム湖が四国最初の公認漕艇コースになるという思いがけない効果も生んだ。
今年四月上旬、桜は一斉に花開いた。肱川町鹿野川のダム管理事務所(渡辺保所長)付近の艇庫からは愛媛大学、松山北高のボート部員らが赤、青、黄色のボートをこぎだした。花を映して広がる湖面に、スマートな艇がミズスマシのように滑り、花影が揺れる。一幅の絵である。
ダム湖には、体長四十センチの大物ヘラブナがおり釣りファンを集めた。半世紀前の時代劇のヒーロー近衛十四郎(故人)や息子の松方弘樹らが、ひそかに釣りざおを垂れたこともある。並木をなす桜は、ただひたすら春ごとに咲き、一週間か十日間の短い命を燃やし尽くしている。
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