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花回廊では花の季節を「春・夏・秋・冬」と分けていますが、花の記事が掲載された日付を元に、以下のように区分けしています。
▼春(春の頃) 3月〜5月
▼夏(夏の頃) 6月〜8月
▼秋(秋の頃) 9月〜11月
▼冬(冬の頃) 12月〜2月 |
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▼名桜散見(7)
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大宝寺のウバザクラ<松山市南江戸5丁目> |
1994/04/06 |
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【戦火にも耐えた老樹】
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乳色の小ぶりの花のもとで絵筆を
ふるう人もいる大宝寺のウバザクラ |
例年、三月下旬には南予から桜便りが届き、四月上旬には県内くまなく満開が通例だった。だが今年は、三月下旬の冷え込みで開花が遅れ、四月に入って東京などとほぼ同時の県内一斉開花。昨年の好評にこたえ、今年も県内の名桜を探してみよう。名付けて名桜散見。
〇……………〇
本堂(国宝)が県内最古の和様建築で有名な松山市南江戸五丁目の大宝寺(蒼森隆勝住職)には、悲しくも切ない伝説を秘めたウバザクラがあり、四月入りとともに一斉に開花した。
樹種はエドヒガン。松山地方でもっとも早い開花という。ウバザクラの名は、お袖(そで)という乳母の名にちなんだ命名で、桜の根元に“いわれ”を書いた立て札がある。
それによると、子供のいない土地の長者が同寺へ願かけして女児を得、お袖に養育を託した。ところが、突然お袖の乳が止まり、困惑のお袖は「乳を出して!」と願をかけ、無事娘を育てた。長者はお礼の堂を建てた。だが不幸は続く。
娘は十五歳で重病にかかり、お袖はまたも願かけ。娘は全快したものの自分が病に倒れた。「薬断ちを約束した」と薬を飲まずに死亡、遺言に「桜を植えて…」と頼む。長者は約束を守って植樹、生長した桜は乳色の白い花を毎年開き続けている―という物語。
「明治時代、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が英訳して英、米で出版した『怪談』に収められている」―とあり、昭和三十七年、市が天然記念物に指定した。住職は「昭和二十年の大空襲で本堂以外が全焼、桜も弱ったがなんとか生き返った」という。根回り二・八メートル。老樹ながら樹勢はよい。文人墨客の訪問もしきりの名桜だ。
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