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花回廊では花の季節を「春・夏・秋・冬」と分けていますが、花の記事が掲載された日付を元に、以下のように区分けしています。
▼春(春の頃) 3月〜5月
▼夏(夏の頃) 6月〜8月
▼秋(秋の頃) 9月〜11月
▼冬(冬の頃) 12月〜2月 |
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▼名桜散見(4)
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用の山桜 県指定天然記念物 |
1993/04/21 |
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【樹齢350年、社守る美花 幹は腐っても次々と芽吹く】
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淡紅白色の上品な美花を
咲かせる山里の「用の山桜」 |
山鳥坂ダム建設が計画される肱川の支流・河辺川上流は秋知川。その源流に近い喜多郡河辺村用の山は標高約八〇〇メートルで、上浮穴郡小田町と背中合わせの人家十戸余りの山里だ。四月中旬、辺りに人気はなく、春の陽光に淡いピンクの桜ばかりが輝いて見えた。
県指定天然記念物「用の山桜」で、エドヒガンザクラという。立て看板は、樹齢三百五十年、根回り六・三メートル、樹高十メートル、枝張りは東西南北七メートル、と説明「この地方の農家はこの花を見てサツマイモの種いもを伏せる」と書いている。
桜の中でもエドヒガンは寿命が長く、大木になるが三百五十年は飛び抜けて古い。幹は腐り、枝分かれした地上約二メートルと三メートルでそれぞれポッキリ折れている。樹下に住む中野良子さん(82)は「子供の時から折れとった」。いま咲く花は、後に芽吹いた枝々だ。
中野さんは、祖父から土地の伝説をよく聞いた。土地の人が、桜の近くの牛頭天王(ごずてんのう)社の森を伐採したところ、天王は怒り「命ある限り取り殺す」と関係者をつぎつぎ殺し、困り果てた人々は、百本の植樹をして許された―などだ。いま森はうっそうと茂っているが社は老朽、荒れ果てている。
産業もなく過疎化、高齢化が進む山里。里人は朝早くから土木工事や遠方の労働に出掛け、日中人口は極めて少ない。美花も社もかえりみられることが少なくなってしまった。花はあくまで美しく、清水は流れ続けているというのに…。
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